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「飽きる」ことによる学習

※本章を理解するには「欲求解消の思考」と「欲求の強さ」の章を読み進めている必要があります。

「飽きる」という状態は、AICoreにとってどのような状態を指すのでしょうか?この辺りの検討を進めます。
「飽きる」とは、人間の体感で言えば、対象事象において、好きだったものがそうで無くなる、 つまりは、「欲求を望まないように変わる」と言い替えられると考えられます。

これをAICoreで置き換えると、欲求を望む状態から、今後、望まない状態へ遷移するのですから、 欲求最大値(欲求の強さを表す値)に変化があると考えます。また、欲求最大値(欲求の強さを表す値)は、 現時点の起こりうる欲求の最大の不満値であることから、 処理上は、 過去最高の快楽値と欲求最大値(欲求の強さを表す値)は別のパラメータで管理しておく必要があります。 AICoreでは、「飽きる」状態になると、欲求の強さを表す値が減少する仕組みとします。

また、上記の仕組みから、「飽きる」は、生得的欲求の仕組みには存在しないものと言えそうです。 通常の生活の中でも、飽きたから食べずに生きている人や、飽きたから寝ないで生きる人は聞いたことがありません。 まぁ、死んでしまいますので。。。基本的にはそのようなケースは、現世において病気扱いとなりますので、検討不要とします。

そして、「飽きる」とはどういった場合に、発生するのでしょうか?

これもまた、人間の行動と近しいものにしたいものです。と考えれば、簡単ですね。 快楽を受けた時に、飽きればよいのです。つまり、快楽を受ければ受けるほど欲求の強さを表す値を減少させ、 0に近付くほど「飽きる」という状態にすれば良いと考えられます。 (ただし、環境的欲求は、欲求不満状態がデフォルトとなる為、時間の経過と共に受信した快楽は消えて行きます)

また、「飽きる」という状態は、人間の場合、実際に行動(欲求解消行動)しなくとも「飽きる」状態へ 遷移することが確認できている(同じものを見続けると飽きるなど)ため、快楽のINPUT量のみで、 欲求の強さを表す値を減少させるという仕様もしっくり来ます。

その他、飽きるのは知的生命体において必要な機能と考えており、飽きることにより知識を増強でき、 高度な欲求を要求するようになると考えています。これは、赤ちゃんが簡単なことに興味を持って行動していたのが、 飽きて、少し複雑なことに興味を持つのと同じです。 もう少し設計に近い話の方が、分かり易いと思いますので、欲求の粒度で次章以降に説明します。




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