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誘引検索経路と欲求ネットワーク(欲求相互接続網)

欲求ネットワーク(欲求の相互接続網)を元に生成される誘引検索経路は、 欲求ネットワークの網羅設計方針から大きく影響を受けます。 その為、欲求ネットワークの少しの設計方針の違いで誘引検索経路生成に大きな差を生むため、改めて章立てして検討します。

まず、誘引検索経路の組み立てを検討する上で以下の事に気を使う必要があります。

①快楽と無関係に、行動から欲求ネットワークを拡張することを可能(誘引検索が働かずとも、連続する入力刺激を、 想定刺激と入力刺激に見立てて論理的欲求を生成など)とし、それにより誘引検索経路が拡張されること。

②既存欲求に対し、快楽の取得がされた場合、欲求の不満状態に影響があるだけで、欲求ネットワークの物理構成に影響は無いこと。

また、不具合かどうか分かりにくい事象として、次のことに注意する必要があります。

・数回の訓練だけでは、訓練時と本番時で、実行条件が揃わず少し違う結果となる事が多いと予想されます。 誘引検索において完全一致する欲求が少ない状況下、 つまり、訓練不足という欲求獲得不足状態ではAICoreの学習結果が期待したものにならないという点があります。

・少ない訓練量で成果を得る為、誘引検索経路に抽象化された欲求を安易に適用し、 誘引検索時に優先順位の低い所で検索一致条件を構えるも、 逆に「意図しない入力データ(どこでも入力される可能性のあるデータ)と一致してしまう抽象化欲求」が存在するなどして、 取りたい行動に結びつかないことが想定されます。 「意図しない入力データが一致してしまう抽象化欲求」が、誘引経路の達成直前に存在すると、 誘引検索が最大欲求側から検索される事を念頭におけば、意図しない多くの欲求が一致し、動作されてしまうという点があります。

上記より、誘引検索時にも、欲求の基本選択プロセスを適用します。 検索結果である誘引検索経路に抽象化欲求が無いとしても、行動選択時に抽象化欲求を選択すると、 意図しない行動となる事は多々あるので、注意が必要です(行動選択時にも欲求の基本選択プロセスを適用します)。 教育ストーリーとしては、先に①で訓練しておき、その後、快楽を与えます。 こうする事で、初めて快楽を得た後でも、ミス無く次回以降の欲求達成が可能になります。 勿論、先に快楽を取得して訓練を後にしても問題ありませんが、 その場合は何度も訓練されるまでミスが多いということになります。

つまり、ある程度の訓練は最低限必要で、その上で、誘引検索経路は抽象化され整理されている必要はなく、 非抽象化の1パターンだけ作成されるだけで十分に最大欲求への誘導機能を発揮するといえます (複数パターンあれば、行動選択時に、より最適なパターンが検索されます)。 欲求同士の繋がりをいかに精密に作れるかが高精度への鍵となり、 誘引検索経路を抽象化すると得たい結果がぶれるのは考えてみれば当然といえそうです。

また、AICoreの住む環境によりますが、実行条件の擬似基準をあまり細かく設定すると、 欲求ネットワークを繋げる実行条件と想定刺激がなかなか一致しません。とは言え、基準を低くすると、 違いを見分けられない人工知能が誕生してしまいます。 そこで、もう少し別の視点から欲求ネットワークを繋ぎ易いように設計する必要があります。

このことの整理として、まずは一つの欲求に対して、 実行条件も想定刺激もインターフェースごとに一つだけしか持てないという制限があるとしたらどうでしょうか? 更に、ゆっくり動くという制限もつけます。 これであれば、おおよその場合に意図して実行条件と想定刺激は一致します。 だとすると問題は、一つの欲求に対し、同一インターフェースで複数の実行条件や想定刺激を持つ場合に、 時間的要素が無いと上手くいかないという話になります。

実験した所、正しくその通りで、実行条件に時間的要素が抜けると、AICoreが早く動作した時と、 ゆっくり動作した時で、全く同じ実行条件で違う出力を持つ欲求が作られてしまいます。 時間的要素が抜けると速度を感受出来ない為、訓練時と本番時で速度が違う場合に、 意図した欲求を実行出来ないという結果になります。

よって、最低限、入力刺激を時間順に採番するルールが必要です。 初期製造としては、入力刺激をインターフェースごとに一つだけに制限することが良さそうです。




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