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場所細胞に相当する機能の必要性

人間には場所細胞たる位置関係を知覚する細胞が存在します。 場所細胞は海馬の錐体細胞で、位置情報をキャッチすると言われ、 ラットの実験によって特定の場所にいる時だけ電気を発するタイプの細胞を発見したことで知られるようになりました。 この細胞は、ラットがある場所を通りすぎるたびにパチッと電気を発し、その細胞の近くの細胞は反応せず、 そられらは別の場所にいる時だけそれぞれ反応するというものです。 この細胞の反応の組合せからラットの位置の5センチ以内を特定可能にするほどです。

場所細胞は嗅内野という部分にある三種の細胞から信号を受けていることが分かっています。

その1つに格子細胞という細胞があります。繋がり合う六角形でできた格子の細胞が敷き詰められていおり、 まるで蜂の巣の様に六方向の伝達を可能にしているかのように見えます。 この細胞がその場所の総合的な地図を作り、常に自分のいる場所と目印の場所との距離情報を更新するといわれています。

また、境界細胞という細胞もあり、特定の壁や境界線との位置関係から、現在位置の情報を送ってくる働きをします。 境界細胞によっては、特定の方向の壁が近くなると信号を送ったり、2つの壁の真ん中や、 がけっぷちで信号を送るなど対象物に対する相対位置により反応することが知られています。

頭方位細胞は、自分の顔が特定の方向を向いた時のみに信号を発する働きを見せます。

上記の細胞が人間に存在することから、論理的な思考を生み出す細胞以外にも、 位置に関する仕組みを個別に用意する必要があることを示唆しているのかもしれません。 しかしながら、格子細胞については、誘引検索のような機能であり、境界線細胞については、目からの刺激情報のうち、 特定の刺激に対する処理機能でしかなく、更には頭方位細胞においては、体と頭の相対位置関係情報でしかありません。 頭方位細胞については、ボディインターフェースという位置付けと考えても差し支えありません。

それならば、AICoreに上記と同等の機能が実装されているなら、それらを使えば、位置情報の扱いは解決ということになります。 この理論が正しいものとして考えると、概念的に場所細胞は位置情報に関することを物理世界の地図を対象にしているのではなく、 脳内に展開された地図の位置情報を処理する為に存在しているのではないかという仮説が立ちます。 詰まる所、物事の順序を整理する場合にも利用されている機能ではないかということです。




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