環境的欲求の強さ
環境的欲求の場合、欲求の強さは快楽の影響を受けます。
快楽を得る事で解消される欲求は、欲求解消後、時間の経過と共に欲求不満状態へと遷移します(おそらく何らかの刺激を受ける要因もある)。
快楽が溜まると欲求解消され、時間の経過と共に、再度、欲求不満状態におちいる事を考えると、
どちらかと言うと欲求不満状態がニュートラルな状態で、快楽物質の取得により欲求不満状態を阻害している仕組みが浮かびあがります。
また、時間の経過により快楽が徐々に揮発することも暗に示しており、快楽は揮発しつつも、何もしなければ原則維持される仕組みであると言えそうです。
このとこから、次の関係式が成り立ちそうです
欲求の強さ = 欲求最大値 - 維持している快楽
そうすると環境的欲求における欲求最大値は、快楽の最大値と同じと言えそうです。
つまり、環境的欲求の快楽発生源であるAICoreのボディから発生した最大の快楽の強さが、欲求最大値ということになります。
このことは麻薬が脳に与える影響やその臨床データからも裏付けが取れています(麻薬に関することは、検討会における議論抜粋を参照下さい)。
詰まる所、環境的欲求の欲求最大値も生得的欲求の欲求最大値と似ており
(ただし、環境的欲求は外部環境の刺激によりAICoreのボディから快楽が出力される)、AICoreのボディにより決定されることになります。
また、人間の行動から快楽の維持の仕方を考えると、それは足し算的では無く、一時点の快楽の強さで上書きされるものと考えられます。
例えば、美味しいものを一口食べて、快楽を得て、さらに二口目を食べて、同じ位の快楽を受け(加算されないで、上書きされる)、
最後に、美味しくも不味くも無いものを食べると、その快楽は消えてしまいます(上書きされる)。
最後の一口を食べなければ余韻は残ります。ちょっと雑な説明ですが、この様なイメージです。生得的欲求と似ています。
勿論、不快刺激の場合も、不快刺激を受信すると、快楽値はマイナスで上書きされます。
つまり、快楽値をプラスで受信した時と違い、上書きされたタイミングで不快欲求の行動が即時選択されやすくなります(行動抑止の動作)。
更に突き詰めると、擬似快楽(不快解消)による拒絶行動は、元々不快を受けていて、
その強さが和らぐことから、先に受けた入力刺激に不快刺激があり、後に受けた入力刺激にそれよりも軽い不快刺激(もしくは快楽)が存在します。
(つまり、不快解消行動は、不快を受け続けた時に解消すべく実行され、行動抑止は不快を受ける前に実行されます)
その他、環境的欲求では、他にも検討しなければならないことがあります。
環境的欲求は過去に行動した出力を再現させる為のものであり、少なくとも一度は快楽を取得した経験があることを示しています。
このことから、環境的欲求から出力を発生させた時に、過去の快楽と同じ強さの快楽が取得されるべきものとして、
環境的欲求の出力を発生させるのが、欲求の解消行動でした。人間から見ると、このような動きは「想定する強さの快楽を期待している」とも
読み取れる機能でありますが、機能としては過去の快楽を再取得しようとしているだけの事です。
確かに期待通りであった時とそうで無い時では、今後の行動パターンが変わるのが正常な生物であるのなら、
脳に何らかの現象が起きている事を示唆していますので、この「期待する」という部分を機能化しておくことに価値があります。
よって、欲求は快楽を期待して、その結果、期待通りである場合とそうで無い場合とで、欲求に影響を与えるものとして設計します。
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