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概念を生む抽象欲求の利用方針

生成された抽象欲求は、最大欲求の誘引検索過程で利用されます。
これを利用しようとしたタイミング(最大欲求までの検索経路に、実体の欲求が存在しないか、或いは実体のある欲求が存在しても、 抽象化した欲求の方が、良い結果が得られると判定された場合)で、出力が抽象化されているケースにおいては、ボディが抽象刺激を解釈できない可能性があり、 インターフェースを作成する際にデータ構造に注意する必要があります。
言い換えると、AICoreは抽象欲求をそのまま実行することを基本とします(インターフェースの実装が、抽象化した刺激に対応していれば動作可能な為、 AICoreフレームワークはこの可能性を制限しません)。 また、誘引経路の途中の抽象欲求は社会的欲求であり、具象欲求と優劣付けることなく実行させます (実行する欲求の優先度は欲求単体で決定するものでは無く、誘引経路の比較で決定します)。抽象的な論理的欲求もまた同じ処理として考えます。

これを基本とした上で、インターフェースの実装が、抽象化された出力刺激を理解出来ない場合に備え、 抽象欲求から具象欲求を検索する方法をAICoreフレームワークはインターフェース脳(運動野)へ提供します (インターフェース開発者向けに抽象欲求から具象欲求の検索手段を提供するという意図)。 具体的には、抽象欲求に『該当する』実体のある欲求を検索出来るように検索機能を提供し、 必要であれば、その検索した実体のある欲求と組み合わせ、新規に欲求を生成し、その欲求を利用できるようにします。
これもまた、概念に従った行動を実行することを意味します。

上記を解説すると、まず、どの抽象欲求を利用するかという選定は次の手順に則ります。
最大欲求から要求される想定刺激と、外部から入力された刺激から、これらにマッチングする抽象欲求を見つけるというものです。 ここでのマッチングとは、抽象欲求の入力・出力刺激のうち、抽象化されていない刺激であれば、同等の刺激を、 抽象化された刺激であれば、型の合う(似ている)刺激を持つ欲求を検索します。

そして、具象欲求の検索手段における、抽象欲求に『該当する』という部分の仕組みは、デフォルト実装を提供しますが、AICoreの利用者が独自実装できる仕組みとします (この部分の仕組みが、AICoreの性能を大きく左右する為)。デフォルト実装では、抽象欲求と包含関係にある実体のある欲求を検索する機能を実装します。 ここでの包含関係とは、抽象欲求のうち、非抽象な実行条件は完全一致とし、かつ、 それ以外の抽象化された実行条件や出力刺激の型の合う(似ている)場合に包含関係にあると定義します。

更に、この検索にヒットした実体のある欲求を新規欲求生成の材料として採用し、利用した抽象欲求の抽象部分を実体のある刺激に置き換えて、 新しく創造した欲求を生成することも可能です。もちろん、新規生成された実態を持つ欲求は、今まで実在していた欲求ではなく、創造したものになります。 よって、新規作成した際、欲求ですので、創造した記憶として残ることになります。 その後、創造したことか、または、実際に起こったことかを分別できるように、創造した欲求は色付けして分別可能にしておきます。

その他、創造欲求の生成過程の注意点として、次の事に留意して下さい。
インターフェース上で生成する欲求ですので、あくまでも生成する具象欲求は、思考を介さず反射的に生成されるものだという事です。 思考については、AICoreフレームワークで演算された結果が最適な解を用意します。

このように欲求を新規生成することで、不快となる欲求を創造してしまっても、次回の処理で、実在する欲求として検索され、拒絶できるようになります (快楽であれば、次回以降実体を検索できるようになります)。

ここまでの検討から、概念に従い行動するということは、 最大欲求の達成をより可能にする為に、達成可能性の高い欲求の候補を検索、もしくは、内部生成可能にする機能のことだと言えそうです (インターフェースの実装によっては抽象欲求である概念を具象化せず、そのまま実行することも可能)。

例えば、AICoreが「これは何ですか?」と聞かれた場合に、目の前のイメージ画像と「これは何ですか?」の発声を入力刺激として、 出力を何らかの発声とする欲求を実行する場合、過去に経験した目の前のイメージを入力刺激として個体名称を発音する具象欲求と組み合わせて、 出力刺激を具象化して新たな行動(欲求の実行)を起こすことになります。

また、抽象化された欲求を「抽象欲求」、抽象欲求から生成された実体をもつ欲求を「創造欲求」として用語を定義しておきます。




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