必要な情報を認識する
前頭葉が入力刺激を処理するよりも前に、個体にとって必要とされる情報の取捨選択は、側頭葉にて処理されていると言われています。
これは、側頭葉を損傷した患者の臨床データから、その見解が示されています。
側頭葉を損傷した患者が言語能力を失ってしまうケースがあり、このケースで異常に多弁になるということが多いようです。
これだけ聞くと逆ではないかと思いますが、これは、自分の発言を以前より厳しく判断しなくなっているということが観察されているようです。
つまり、側頭葉にて、脳へ入力される多量の入力刺激を上手く制限しているということらしいのです。
要するに電車で本を読んでいる時でも、眼の端で色や形や動きを見て、音を聞き、匂いをかいでいますが、
それらに注意を向けることはほとんどなく、目の前のやりたい事だけに集中することができるのはこの側頭葉のおかげということらしいのです。
では、この自身にとって必要な情報はどのように取捨選択されているのかと考えれば、
その根拠は入力刺激がいつもと同じかどうかと、集中(別章にて説明)しているかどうかという点につきるかと思います
(現時点では、他に区別する要素が無さそうな為、この方針で進めます)。
集中している場合は、情報をほぼ受け入れますが、集中の無い場合は、ボディインターフェースから送られる入力刺激の中で、
頻繁に入力されるパターンのデータは、排除されてから思考することが考えられます。
例えば、「いつも通る道」などは、交通量が多くとも、動いている車でさえ注目から外れることを身を持って体験されていると思います。
だからと言って全てが記憶にないわけでもありません。
何となく覚えていることもあると思います。つまり、意識が薄いといったところでしょうか。
集中の章でもお話していますが、AICoreでは、集中していない場合において、データが抽象化され、
その後、頻繁に入力される刺激パターンは、除外もしくは、無意識下の一連行動として処理することとします。
取捨選択よりも先に抽象化するのは、物理的な脳配置がそうである為と、
似たデータパターンは全て同じ取捨選択結果がされるべきという思想であるためです。
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